第2章 魔界

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「………嘆きが、聞こえます…」 黒い女性が魔界の上空で呟いた。 「始まったか。オレ様の魔界で、殺しなんて舐めた真似しやがって」 偉そうに荒野を見下ろす少年がまだ見えない彼らに舌打ちをした。 「……アレフ、貴方の魔界では、ありません…あの御方の…」 「…わかったギメル。さっさと殺しに行くぞ。不老不死の吸血鬼というやつを。」 黒い女性、ギメルの忠実な訂正に偉そうな少年、アレフは軽い謝罪をし、その場から動き出す。 「…………みんな、大丈夫、でしょうか」 「……問題ないだろう…あ…でも、オレ様としてはザインが心配だ」 「あぁ…彼女は、そういう"欲"ですから…」 「敵に惚れて寝返るとかあったら死んでも殺す」 「…それはないと、思うのですが…彼女はちゃらんぽらんに見えて、あの御方への忠誠心は本物ですから…」 ちゃらんぽらん………ギメルが言わなそうな一言に、アレフはその事以外考えられなくなっていた。 ……いや、もちろん、本目的は忘れてはいないのだが…
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