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「で、また兄さんは僕らに黙って血を集めに人界に…」
かなりの時間いなくなっていた2人の前には、仁王立ちをして待ちかまえているルベルの弟、クラヴィスがいた。
「…………コイツが、今ならお前にバレないだろって」
「リューゲさん……?」
「なぁ?!クラヴィス様ぁ、正直に言いますと私がルベル様と共に人界に行くと命がいくつあっても足りない気がしますぅ」
罪を男…リューゲに擦り付けようとするルベル。しかし、リューゲの言葉に嘘は無さそうだった。
「…兄さん」
クラヴィスは改めて兄を見た。兄は彼と目を合わせずに口を開いた。
「……誰かが採りに行かないと…だろ」
吸血鬼…その名の通り、血を吸って生きている。
しかし彼らが人界に行く方法は限られているため、定期的に人間を殺していかなければならない。
「非効率的ですよねぇ?少量でも足りるとはいえ、10割の力が出せないのは痛いでしょうぅ?」
リューゲが正論を言ってきた。
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