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「やっぱり君達は仮初の殺意を植え付けられているね。
……奴らにまで殺意があるというのは君達の憎しみの強さか、きっかけがあるのかはわからないけれど、少なくとも俺達を殺すのは本能と言ったところかな……ねぇルベルくん、そのこと分かっている?」
視点は変わり、ルベル対へー…
へーはルベルに自身の考察を伝える。
「………知るかよ」
「何故恨んでいるのか分からないのに恨まなくてはならないなんて辛くない?」
「……辛くないに決まってる。これは俺の意志なんだよ。」
(……まさか…ありえない話じゃないけど………)
ルベルの発言から、さらに深く考えを進めるへーは1つの答えにたどり着こうとしたが、あまりにも材料が少ない。確定は出来ない。
「重力魔法」
「うわっ!ちょっ…!!人が考え事してる時に何すんの!?」
「うるさい…詮索はやめろ。不愉快だ。」
「…そう言われてもね、こちらにも色々事情があるんだよ、ルベルくん。」
何とか答えを割りだそうと考え込むへーに嫌気が差したルベルは無慈悲に殺そうとした。
しかし間一髪のところで避けられ、攻撃をされたのにも関わらずへーは慈悲のある目で見てきた。
「…気に食わない……一体何が目的だ…攻撃をする気配もなく、ただ俺達のことを知ろうとしに来る……その哀れむような目も、言葉も気に入らない…知ったところで、何になるって言うんだ」
ルベルは目の前の憎い相手をひたすら憎み、自分でもよく分からない問い掛けをする。
恐ろしくて堪らない。奴らが何を企んでいるのか、それによって兄弟が傷つくのではないかと…そんな気がしてならない…
ルベルは背負っている…"知っている"…この魔界がどのような場所なのかを
そんなルベルを見て、強欲の大罪は慈悲深く、口を開いた。
「…俺っちさ、強欲なんだよ。欲しいものはなんでも手に入れる。そうじゃないと気が済まないんだ。
…憎しみだらけの世界なんてつまらないだろ。俺は強欲に平和と安寧を求め、そんな奴に忠誠を誓った!」
彼は欲のままに生きている
「そんな戯言、通用するわけが無いだろ…」
「そうさ、だから望むんだ。
戯言こそ最上級の欲!叶う確信がないからこそ望む意味がある!それを掴み取るために欲する!ルベルくん、俺は、俺達は君達吸血鬼との同盟を望む!この手を取って欲しい!」
その欲のために全てを捧げる。
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