第1章 三界

5/10

1人が本棚に入れています
本棚に追加
/32ページ
クラヴィスから逃げてきたルベルは、ルナ……6番目の妹の部屋…というか治療室…というか実験室に来ていた。 「ハ、ハハハ……ルナ…キミにはかなりキツめの拷問(おしおき)が必要みたいだね…」 「ぎゃぁー!シュル兄 (あたし)の部屋を壊そうとするのやめてー!」 そこには部屋を壊そうとしている4番目の()、シュルトとそれを泣いて止めようとしているこの部屋の主、ルナがいた。 ………それから、シュルトの前に犠牲となったであろう3番目の弟のトート、末弟トラオムが意識を失って倒れている。 まさに地獄絵図。 「……………」 まずい、このままでは自分まで巻き込まれる。 面倒な事が苦手なルベルは、倒れている弟二人をほかの二人にバレないように足を掴んで引き摺って部屋の外まで連れていき、2人の意識を確認し始めた。 「…トート、トラオム、生きてるか」 「ぐ………生魚食べられないのに…」 苦しそうな顔で魚を拒絶し始めるトート 「当分砂糖はいらないよ……」 同じく無甘宣言をするトラオム 「なるほど、糖分だけにか」 挙句つまらないことを言い始めるトート 「……これは駄目だな」
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加