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2人をクレーベルに預けたルベルは、ルナとシュルトの末路が気になり部屋を訪れた……のだが
「…部屋どこいった。シュルト、流石にこれは…」
「ボクじゃないよ!この馬鹿に言って!」
しかし部屋がなかった。跡形もなく部屋が吹き飛んだ。……いや、これは吹き飛んだ、で正しいのかすら分からない。ここに部屋があったと言ったら誰が信じるかも分からないぐらいに何も無いのだ。
「…ば、ばかって…この天才魔法使いのルナちゃんになんて…」
「そういうのいいから。ホントに。」
「シュルにぃ~~…」
「…クラヴィスにバレたらやばいんじゃないか」
「そうなの!お願いルベ兄!探すの手伝ってー!」
ルベルがルナを心配すると、ルナはかなり焦った様子でルベルにねだる。
「探すって……消えたじゃん」
探す、という言葉に反応してシュルトは呆れた顔で正論を言った。
そして逆に、今度はルナが消えた、という言葉に反応した。
「ふ、ふ、ふー…これは『消えた』じゃなくてね、『転送』!私の実験は成功したんだよ!!」
「実験…」
うわぁ…というあからさまに面倒くさそうな顔で小さく呟いたルベルの声をルナは聞き逃さなかった。
「そう!!!よくぞ聞いてくれました!!」
「聞いてない」
押すばかりのルナは、兄の話になど耳を傾けようとせずに話を続けた
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