プロローグ

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プロローグ

ー裕子ちゃんは凄いねぇ ーあら、裕子ちゃん今日も塾?賢いわねぇ ーまた習字で賞とったの?偉いねぇ ー裕子ちゃんみたいな娘さんがいて羨ましい! 毎日毎日聞こえてくる近所の人達の声 たまに会う母の職場の同僚の人達の声 偉い 賢い すごい そんな言葉で埋め尽くされていた。 「そんなことないわよ 家では文句ばっかり。言うこと全く聞かないし 親不孝な娘なの!」 決まって答える母の言葉 親不孝者 何をすれば親孝行で何をしたら親不孝なのか 母が笑顔になること=親孝行 だと当時は思っていた。 そして、それが私にとっても一番幸せなことだと思っていた。 これから先、本当の意味で母から、そしてこの家から離れることがこれ程まで難しく、辛く長い道のりになることを、まだ幼い頃の私は知るはずもなかった。
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