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圭はカバンから角が湿気ってふやけたトランプと100円玉を10枚出してきた。 ポーカーは宅飲みする時はいつもやるゲームだったけれども。 だいたいいつも賭けていた事はコンビニにどっちが買い忘れたものを買うとか、次の宅飲みはどっちの宅かとか、そんな軽いことだった。 掘る掘られるの賭けなんて、聞いてない。 「参加費1回100円ね。交換は1回まででベットは交換前にする。勝てばその回の賭け金は全額貰えることにして3回やって終わった時の残りの金額で勝敗が決まるってことー。分かってるよね。」 酔ってるはずなのに口調はしっかりしてる圭がカードをディールしていく。 勝つ自信でもあるのか? ポーカーは運試しだし、今までの勝敗は五分五分。 どちらも表情が出にくいから結局運任せなこのポーカーを僕らは気に入ってしていたはずだから、100%勝つなんてありえない。 1、2回戦が終わって僕は窮地に立たされていた。 出が悪すぎてベットしないまま負けて、僕は残り300円、圭は700円だった。
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