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となりのきみ
小さい頃から、私の隣にはユキちゃんが居る。
私とユキちゃんはいつも一緒だ。
辛い時も悲しい時も、嬉しい時も楽しい時も、ずっと二人で過ごしてきた。
ユキちゃんは優しくて素敵な女の子で、特に笑うととっても可愛い。
でもその姿は、私以外には見えないらしい。
昔、ママにユキちゃんのことを話したら、「おかしなことを言うのはやめなさい」と怒られた。
だからそれからは、ママにユキちゃんのことを話していない。
だけどクラスの子に話してしまったことは、何度もあった。
みんな、「そんな子居ないよ」「怖いこと言わないで」と言って、私から遠ざかっていった。
誰も、信じてくれなかった。
そしていつの間にか、私はみんなから「頭のおかしい子」と言われるようになっていた。
それは悲しいことだったけれど、でも平気だ。
私にはユキちゃんが居るから。
だからもう周りの人に分かってもらわなくてもいい。
ユキちゃんさえ居てくれれば、それでいい。
いつからか、そう思うようになっていた。
それなのに……。
どうしてあの子には話してしまったのだろう。
自分でもよく分からない。
「私の隣にはね、いつもユキちゃんって子が居るの」
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