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1話
人生はクソゲーと似ている。
僕が思うに、生まれで圧倒的な差が存在する以上はどうやってもできない事はある。
資産家の子供として生まれれば、圧倒的な財力で僕よりも出来ることは多いだろう。
優れた容姿の両親だったら、その子も容姿が優れている可能性は高く
僕より遥かにモテるだろう。
挙げればキリがないけど、そのどれも無い僕には羨ましい。
地方の農家の3男に生まれ、両親の離婚で叔母に引き取られた僕には優れた容姿も
財力のある身内も居ない。
それどころか、頼みの叔母でさえ風俗で働く…いわゆる底辺という層だ。
スタートからしてロクでもない。
途中経過もロクでもない。
それでも僕は人生を生きなくてはいけない。
クソゲーなら電源を落とせば済むけれど、生憎とリアルを生きる僕は電源を落として
「やーめた」
とはいかないのだ。
まあ、僕はこんな事を思いながらふて腐れていたんだと思う。
もうすぐそれどころじゃない人生が、いや、運命が待ち受けているとも知らずに。
20xx年8月。
まだ蒸し暑さの残るその日。
世界は文字通り激震した。
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