第二章

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―――兄貴だ!  カエデの脳裏に頼りなくも笑っている兄の姿が浮かぶ。そして、その兄がすぐ街の前まで来ている意味に気付くと、拳を強く握った。 「………どうした、顔が緩んでいるぞ? 仲間が助けに来たのが、そんなに嬉しいか」 「えっ!? あ、いえ………その!」  顔に出ていたことには気づかず、カエデは両手で自分の頬に蓋をする。  シドリーは何かを察したように小さく頷くと、カエデに顔を向けた。 「一緒に来てもらおうか? その騎士の所へ」
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