46人が本棚に入れています
本棚に追加
/171ページ
―――兄貴だ!
カエデの脳裏に頼りなくも笑っている兄の姿が浮かぶ。そして、その兄がすぐ街の前まで来ている意味に気付くと、拳を強く握った。
「………どうした、顔が緩んでいるぞ? 仲間が助けに来たのが、そんなに嬉しいか」
「えっ!? あ、いえ………その!」
顔に出ていたことには気づかず、カエデは両手で自分の頬に蓋をする。
シドリーは何かを察したように小さく頷くと、カエデに顔を向けた。
「一緒に来てもらおうか? その騎士の所へ」
最初のコメントを投稿しよう!