第四章

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「エコーにも同じことを言われたよ」  そして、タイサはエコーには自分の気持ちを伝えたことをボーマに伝えた。 「知ってますよ………だからこそ、そのままの流れってものがあるじゃないですか」  ボーマは悔しそうに大佐の胸をさらに小突く。  タイサは自分の事のように怒ってくれるボーマの気持ちもまた嬉しかった。 「そうだな………普通ならばそうなんだろうが………ん、ちょっと待て」  そこで我に返る。 「何で、俺とエコーとの会話をお前が知っているんだ?」 「はっ!」  ボーマは大きな口を両手で隠す。 『隊長、真下はボーマの部屋でした』  壁越しからエコーの声が聞こえてくる。 「副長!? あぁ、そりゃぁないっすよぉぉぉ!」 「………ほほぉ」  タイサの表情が反転、頬が引きつっていた。 「隊長、そりゃぁあれだけの会話を外でしていれば、気になるっていうのが………あぁ、すいません。それだけは勘弁してください」  タイサは両腕を開くと、ボーマの大きな顔に徐々に近付ける。 「うびゃぁぁぁぁ!」  ボーマの頬は良く伸びた。
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