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4 悲鳴
「栗空のヤツ、充電器持ってきたんだろうな?」
遠ざかるツルツルの頭を見て横山が言った。
「彼に連絡しないと、充電器忘れちゃった」
小泉明美が言った。
ミーコには年齢を当てる魔術が使えた。
小泉明美は43、彼ってのは主人。何となく遠回しな言い方だ。
「電話なら公衆のが玄関のとこにありますよ」
送迎担当の榎が言った。髪は黒くてフサフサしてるが、52だ。栗空の方が老けて見えるのなんでだろー?
明美が玄関に向かう。
「風呂にでも入ろうかな?一人になりたい気分だから邪魔しないでね?」
黒木冴香が立ち上がった。彼女は42。
「なーんかヤな感じ」
香椎真由が仏頂面になる。真由は39。
百目になって死んでしまった橋本真奈美は37、飯野幸恵も37。チンピラみたいな古河智人は27だ。コガではなく、フルカワだ。間違ってコガサンって呼んだらメンチ切られた。
横山と栗空は45、シコシココンビ。
パパイヤ岡本はパパイヤ鈴木みたく髭モジャじゃなく、リーゼント、43。
平幸治が76、平潤が48、平健幸は42。
マルオはロビーに男性たちを集めて古墳から見つかった武器を渡した。
大橋が、「どこで見つけたんだ?」と呆然とした。古河が、「ドラクエみたいじゃん?」はじめて彼の笑顔を見た。
剣が大橋、刀が古河、槍が横山、矛が栗空。
「榎さんたちは?」と、横山。
「我々はあなたたちをお守りする義務がある、いざってときは丸腰で戦います」
パパイヤ岡本はK-1をやっていたらしい。
マルオは部屋に戻り、ミーコに短甲を渡した。
「ワタシも武器がほしい」
「おまえは部屋から出るな」
「分かった」
最近キスしてないな?ミンティアをシャッシャッして口に入れた。
「キャァッ!」
大浴場の方から悲鳴が聞こえてきた。
風呂場は1階、東端にある。
玄関は西、食堂が南、ロビーが北にある。
「おまえはここにいろ!鍵を閉めろ、俺が来るまで開けるな?」
赤いコートを羽織り、黄金の剣を手にして《ヒヨドリの間》を出た。
槍をグルグル回しながら、横山が現れた。
彼はシジュウカラの間、栗空はホトトギスの間に泊まってる。
「クリさんは?」
鞘から刀を抜いて古河が言った。
「便所だ」と、横山。
「大橋の旦那もいないようだ」
古河が首をグルグル回し、準備運動した。
「仕方ない、俺たちだけで行こう」
マルオが鞘から刀を抜いた。
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