*届け物

7/17
9人が本棚に入れています
本棚に追加
/128ページ
* 「にゃあ」 顔を舐められ、ヒゲがくすぐったくて気がついた。 「はあっ!ここは?!」 ガバッ!と飛び起きると、子猫が顔から滑り落ちた。 「ああっ!ごめん!」 わたわたと子猫を拾う。 なにをしてるんだわたしは。 ―――…うん?…ベッド?? 巨大なふかふかベッドで布団を掛けられて寝ていたらしい。 服はそのままだ。 「おはようございます」 ガチャリとドアが開く。 あのお兄さんだ。 屈んで子猫を拾い上げる。 「えっ?なんで?!」 「すいません。俺、電話しといて留守にしてて。玄関先でお休みだったので勝手に部屋に運んじゃいました」 あっ!!となる。 思い出して耳まで赤くなる。両手で顔を覆う。
/128ページ

最初のコメントを投稿しよう!