*帰れない

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ウォーターサーバーから水を取り、粉薬を流し込む。 「胃薬があるっていっても、空腹すぎてもまずいか。そこのコンビニかな。いってみるか…」 ジャンパーを羽織り、鍵と財布を手に、体を引き摺るように玄関を出る。 そして1階に出たとき。 見てはいけないもの、いや、見る必要のないものが視界に入った。 エントランスのガラス越しに、なにかを話しながらタクシーに乗り込む心花と、記憶の片隅に覚えのある若い男―――
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