9人が本棚に入れています
本棚に追加
*
「きれ~い」
お店を出て少し歩く。
大通りに出ると、街路樹に小さなイルミネーションが街を彩っていた。
ふわりと背中から抱き締められる。
普通の女子ならきゅんきゅんするシチュエーションなんだろうな。
「心花のこと好きだったから、他の子と付き合わなかったのに。なんで気づいてくれないかな」
そんなこと言われても。
ただのバイト先の先輩で。
何より今は就職難民。
卒業間近。
けれど。
有無を言わせず唇を塞がれる。
「―――っ!ごめんなさい」
バッ!と突き放すと走って逃げた。
最初のコメントを投稿しよう!