*帰れない

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* 「きれ~い」 お店を出て少し歩く。 大通りに出ると、街路樹に小さなイルミネーションが街を彩っていた。 ふわりと背中から抱き締められる。 普通の女子ならきゅんきゅんするシチュエーションなんだろうな。 「心花のこと好きだったから、他の子と付き合わなかったのに。なんで気づいてくれないかな」 そんなこと言われても。 ただのバイト先の先輩で。 何より今は就職難民。 卒業間近。 けれど。 有無を言わせず唇を塞がれる。 「―――っ!ごめんなさい」 バッ!と突き放すと走って逃げた。
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