*お仕事

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「上出来です。あとはみだりに部屋やらドアを開けないこと。他人様のお宅ですからね」 「はいっ」 そしてこちらは缶詰のフードと水を替えている最中に飼い主が帰ってきた。 同い年くらいの男の子だ。 男の子、というのもおかしいけれど、まだ幼さの残る顔、雰囲気は田舎から出てきたばかりのような素朴さに、男性感はなかった。 「すみません。いつも助かります。今日は残業なかったんで早く帰ってこれました。これ今月分」 封筒を渡される。 ふとわたしと目が合うと、 「可愛いですね。新人さん?」 「あっ、ありがとうございます。お手伝いさせてもらってます!橘と申します」 赤くなってペコリとお辞儀する。 けれど、また少しムッとされた気がした。
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