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彼女はすっかり機嫌を悪くしていた。親切でやっていたことを邪険にされたのだから当然といえば当然である。
「ごめんごめん、疑って悪かったって。」
「・・・今度君が大好きなシュークリームおごってやるから」
ふと、彼女の好物が甘いものであることを思い出した。不思議と頭痛はしなかった。
前にもこんなことがあったような気がする。昔、『3人で』よく食べていたような――――
「・・・・こないだテレビに出てた原宿のじゃなきゃいやです。」
「・・・・・ぁ」
橙子の言葉で我に返る。
「それでいいよ」
シュークリーム程度で除霊してもらえるのなら安いものだ。
「言いましたね。じゃあ14時間ちゃんとならんで確保してくださいよ」
「う・・・任せとけ。」
しまった。あのお店はえらく並ばされるんだった。
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