第4話

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第4話

鳳は、防犯カメラの映像を見てずっと疑問に思っていた。    強盗達の統率力がなさすぎるのだ。こういった複数人による犯罪は、ほとんどリーダーのような司令塔が何処かにいるはずだ。だが、金庫を破ろうとしている2人はもたついていたし、防犯カメラも生きたまま。どこか計画がザルのように見えていた。 「鳳所長!」  会議室に、秘書の西園寺(さいおんじ)が慌てて入ってきた。そして、鳳にタブレットを差し出した。 「これを見てください。」  映像は、銀行の外を映している街中の防犯カメラの物だった。  そこには、片手にライフルを持ち空いてる手で手榴弾の様な物を警察車両に投げている男と、マシンガンを両手で持ち周りに乱射している男が映っていた。 「やはりか…。こいつらの身元は?」 「遠山光一、強盗団の異能者・遠山健治の兄だそうです。もう1人は柿崎 俊介、2人とも異能者ではないようです。」 「なに?そうか…。わかった、すぐに全員に連絡する。」  西園寺は部屋を出て行き、全員のインカムに通信を入れた。 「お前達!そっちは囮だ!本命はそっちじゃない!」 「所長、指示を!」  インカムからすぐに氷山の声がした。 「小鳥遊・石川の2人は付近の住民の避難を、速水は人質を行内の安全な場所へ、龍御・氷山の2人で本命の制圧、加賀見は2人のバックアップ桐山はそこで待機してくれ。本命は2人で、かなり武装をしている。目的はおそらく無差別殺人。全員、十分気をつけて動いてくれ!」  インカムから了解という声がし、ひとまず鳳は椅子に深く座った。  鳳からの支持を受けて、全員瞬時に行動した。  氷山はDISを横に倒して、そこから映し出された立体映像を龍御と見た。外では爆発音が響いている。 「龍御、どっちを殺る?」 「そうですね…じゃあ爆弾持ちのほうで。」 「なら俺は二丁拳銃だな。無茶はするなよ?」 「わかってます。」  2人は外で燃える警察車両の影に身を潜め、本命2人を葬る準備をした。
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