第四話・日本じゃありませんでした。

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第四話・日本じゃありませんでした。

(冗談じゃない! 早く逃げなくちゃ! 変な宗教なんか入りたくないわ!)    部屋を出た私は、さっきの部屋へ戻るふりをして、間隔的に縁側に置いてあった下駄を拝借して庭に出た。  庭の低木や中木を縫うように抜けると、すぐに門があった。  お寺にあるような立派な門だったけど、色が特殊で全体がかすんだ青色だった。門の柱には龍の彫刻が施されている。  私は、かんぬきを外して木戸を押した。瞬間、ぱんっと弾ける音が小さく聞こえた気がしたけど、辺りを見回しても特に何もない。 (遠くで風船が割れたのかも)  誰にするでもなく頷いて、私は屋敷の外へ出た。坂の上にあったらしい屋敷の下には深そうな森が広がっている。  ちょっとだけ緊張と不安が襲ってきたけど、私は首を振って坂を下り始めた。
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