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そして、ピリカの魂をやさしくしっかりと抱きかかえました。
「キィィィィィィィィィィッ」
カムイの化身、オホーツクオオワシの厳しく叱りつけるような鳴き声は、島中に響き渡りました。
オホーツクオオワシは、天空に向かって黄金色の翼を力強く羽ばたかせ飛び上がりました。
ピリカの魂を抱きかかえたまま、高き山々の世界を越え、雲の世界をも飛び越え、ついには星々の世界までやってきました。
そして、カムイはピリカの魂を星々の世界の一番高いところに住まわせることにしました。
それから、オホーツクオオワシに姿を変えたカムイは北の島の空を悠然と飛び続けました。
その夜、海辺、川辺、山奥の村の人々は夢の中でカムイのお告げを聞きました。
みんなにクジラのことを知らせてまわったピリカのことを知りました。
次の日の朝、浜辺に多くの村人が集まりました。
「ピリカ許しておくれ」人々は何日も何日も泣きながらピリカに謝り続けました。
それから、
海辺の村で魚が取れた時、全部を村に持ち帰ることはせず、少しの魚を浜辺に残しておくことにしました。
川辺の村では、畑で採れた野菜を全部村に持ち帰ることはせず、少しの野菜を畑の脇に置いておくことにしました。
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