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1 思わぬ来客
2018年12月16日。
除雪したばかりの玄関前には薄っすらと雪が積もっていたが、わずかに気温が高かったので所々が解けていた。
その雪の上を泥んこの足跡が点々と、道路から玄関前を横切り、除雪した玄関前アプローチをぐるりと一周して、再び道路の方へと消えていた。
玄関の横には、アライグマを捕獲するために箱罠を置いているが、この時、捕獲のための餌は入れていなかった。
翌日17日に、大きめの蒸しパンを作ったので、その欠片を捕獲用の釣り餌として入れてみると、深夜になって箱罠が閉じる音がした。
ここいら辺は、炭鉱閉山に伴い急速に過疎化し、置き去りにされた多くの犬猫が問題になっていた。
犬に関しては市議会でも検討され、保護活動も行われたことから野良犬になるものもおらず、数年後には解決したものの、猫に関してはボランティアに頼る以外のことはせず放置したために、未だに多くの去勢されていない野良猫が徘徊している。
家の周りでも多くの野良猫が徘徊しているので、足跡は、この野良猫か?アライグマか?それともまた別の動物か?と、少しワクワクもしたが、足跡の大きさや歩幅などから、今年の春に箱罠にかかったキタキツネだろうと予測していた。
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