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そして、予測は見事に当たった。
箱罠の中では「まただよー><」と言わんばかりの顔でこちらに目を向け、「早く出してよー!」とばかりに、閉じた箱罠の蓋を引っ掻いているキタキツネがいた。
翌18日、再び箱罠をセットし、蒸しパンの欠片を入れておくと、夕方6時を過ぎたころ、箱罠の蓋が閉じた音がした。
そしてまた、同じキタキツネが入っていた。
よほど蒸しパンが気に入ったらしい。
このキタキツネは、解き放ったときに必ず、一度足元まで戻ってきてから山へと帰っていく。
実は、箱罠に入っている間に、冷凍してある鶏肉を数切れを解凍して食べさせていたので、そのお礼でもあるのだろう。
ちなみに、このキタキツネは黒いソックスを履いていない。
そして今夜、19日夜7時過ぎに、また外で箱罠の蓋が閉じる音が聞こえた。
「またかよー」と、半ば呆れた気持で見に行くと、そこには色の違う獣がいた。
「あ、アライグマ!?・・・???」何か違った。
アライグマのようでもあり、アライグマではないようでもあった。
尻尾を見れば一目瞭然なのだが、怯えて奥の方に引っ込んでおり尻尾が見えない。
しかし、何かが違う。
鼻に黒い筋がない。
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