602人が本棚に入れています
本棚に追加
孫堅は随分と拍子抜けしていたが、その後、劉表は袁術と組んでいた孫堅に対抗して、大勢力を誇る袁紹と同盟を組んでこれに対抗した。
「ご安心ください孫堅様。それでも臆病な劉表は自ら打って出ることはないでしょう」
そう言ったのは孫堅の将、程普、字を徳謀であった。
程普は更にこう述べた。
「気になるのは桂陽を中心に勢力を築いている劉ヨウでしょう。これらはまだ放浪の末に拠点を得たような状況でありますので、先にこれらを叩いて桂陽を得た方がよいと存じます」
「劉ヨウが桂陽か……」
孫堅は頷いた後、答えた。
「ならば、ここは息子の孫策に向かわせようと思う」
「え? ご子息をですか」
なんと、孫堅が指名したのは、孫堅の長男にあたる、孫策、字を伯符であった。
程普は目を丸くして、
「し、しかし孫策様はまだ若く、実戦経験も乏しい。向こうは少数であれど、猛将の太史慈等を揃えており、危険ですぞ」
と言った。
「であればこそだ」
最初のコメントを投稿しよう!