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「ど、どういうことでしょう?」
孫堅はこう続けた。
「伯符が元服してもう幾月か経っており、この頃は戦の事ばかり訊いてくる。我等と劉表とが睨みあうなかあやつは兵法を学び、賢者と親交を深め、友を得ている。この戦によってきっとこの孫文台よりも優れた将となって帰ってくると、そう思っているよ」
「なるほど。それは遠望深慮なお考え。私、感銘を受けました。願わくは私も同行して手助けを……」
程普はそう言ったが、
「いや……」
孫堅は首を横に振って、
「あやつはあやつなりに考えている。今回はあやつにこれら人材配置もすべて任せようと思う。どうやら若手のみで部隊を編成させるつもりらしい」
と言った。
「若手のみで?」
「ああ。確か周瑜、字を公瑾と言ったな。伯符と同い年らしいが、しっかりとした風采の男だったよ。なんでも美周郎とあだ名されているらしい」
それを聞いて程普は眉間にしわを寄せる。
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