喬家の名花

2/19
前へ
/327ページ
次へ
孫策(そんさく)の快進撃はとどまることを知らなかった。 桂陽(けいよう)を攻略した孫策は、そのまま零陵(れいりょう)、更には呉郡(ごぐん)とたて続けに攻略し、諸侯の許貢(きょぐ)王朗(おうろう)を降伏させた。 しかし全てがすんなりといった訳ではなかった。 投降したうちの許貢の降伏は偽りのものであったのだ。 許貢は東呉の厳白虎と内応して孫策を攻めようとしていた。 しかし、ひそかに潜入させていた間者から、上申を受けた周瑜(しゅうゆ)がすぐさま孫策へ報告。 事がなる前に孫策に露呈した。 報告を聞いた孫策は、 「――なるほどな。であれば、むしろ機を得たのは我等ということか。よくやった周瑜。よし、誰か太史慈(たいしじ)を呼べ!」 逆に返り討ちにする策略を見出した。 まもなく太史慈がやってきた。 孫策は笑みを浮かべて、太史慈の肩を持った。 「我が友、太史慈よ。喜べ、早速お前の実力を示す時が来た」 「おお、早速でありますか」 嬉しそうに笑みを湛え、跪く太史慈。
/327ページ

最初のコメントを投稿しよう!

602人が本棚に入れています
本棚に追加