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「ああ。それも俺かお前にしかきっとできない奇襲の策だ。聞いてくれるな?」
「ありがたい。ならば何なりとこの太史慈にお申し付けください!」
「よし、では聞け」
孫策、周瑜は太史慈へ策について詳細な説明をした。
それから数日後のことである。
太史慈は東呉から続く林道、その対面に位置する林中にて兵を伏せていた。
行軍する厳白虎が近づいてくると、一気に奇襲する手筈だ。
周瑜からの報告通り、厳白虎が一軍を率いて現れた。先頭に大将の厳白虎の姿が見える。
この厳白虎は自ら東呉の徳王を自称する群雄である。
着ている鎧は兵の槍では貫けないであろう見事なもので、総じて放胆そうな佇まいである。
しかし周瑜の話では厳白虎はその実、気が弱く、急な選択を迫られると一目散に逃げるような小男に過ぎないとの事であった。
「はあ……」
それを思い出した太史慈はげんなりして、ため息を漏らしたがハッとして、
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