粉微塵にされた淡い想い

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「……健吾、やっぱり私は床で寝るわ」  隣でゴソゴソと動く麗子の顔を驚いたように健吾は覗き込んだ。 「なんで? 床は固いだろう? 俺と一緒じゃ寝にくい?」  そう言うと健吾は麗子を抱きしめた。 「だって、絶対におかしいもの。女の子同士でもこんなにくっついては寝ないわ」  抱きしめる健吾の胸を思い切り押すとその腕から逃れて麗子は起き上がった。 「それに……」  私は健吾が好きなのよ。こういうのは、苦しいし辛いわ。  それを麗子は飲み込んだ。  先ほど、その話は済んでいるのだ。  健吾はそばにいたいと言ったのだ。ただしそれは、一番近い友人として。そして、麗子が健吾を好きであろうとも、麗子がいいならば一緒にいるとそう話したのだ。  辛いとか苦しいとか、そんな想いは自分の中で粉々にし消化しなければいけないのだ。
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