一文物語(ワサビー編集・改訂版)

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一文物語(ワサビー編集・改訂版)

 少女は言った。 「こんなことになるなんて、思いもしなかったわ……」  少女の前に転がっているのは、ブレザーを身に纏った女子高生の死体。  遺体の頭は西瓜のようにパックリと割れ、生々しい頭蓋の中身を晒している。  狼狽はしたが、黒髪から漏れでる濃い赤にまみれたものを見て、不思議と綺麗という感情が湧き、それを消しさった。 「彼女が学校に来ないようにしてくれと言ったのは君」 と、背後に佇んでいた男らしきソレは、真っ赤な口を三日月にして言った。  この状況で笑う不気味なソレに、少女は、 「……貴方は何なの?」 と訊ねた。 「オイオイ、悲しいこと言ってくれるじゃないか。私を探し出したのはキミじゃないか。……それとも、もう私のことを忘れてしまったのかな?」  男のようなナニカは、皮肉げに嗤った。  そう言われたその瞬間、少女はある出来事を思い出した。それは雪崩のように脳内を流れ、その痛みに少女は呻いた。 ○参加いただいた方々(敬称略) 【ワサビー=わさお、イノウエ、えふえふ、はじめアキラ、九丸(ひさまる)、弟の趣味です、渡井 彩加、ピンクマン、一 二三【シュウタ長編制作中!】】
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