【 part 2 】

5/5
16人が本棚に入れています
本棚に追加
/31ページ
長瀬「一応、スイートチョコもあるんだけど・・・このビター、僕だけで食べられるかなぁ。」 「私も食べる。」 長瀬「え?でも、苦手なんじゃ・・・」 「スイートチョコもあるんでしょ?なら、食べる。」 そう言いながら、ビターチョコを頬張り、すぐにスイートチョコを口に含む。 こうすることで、苦い・・・でも、ほんのり甘い『ノーマルチョコレート』になる。 『苦いもの』と、『甘いもの』は相性がいいのだ。 苦いイメージがあってからか、昔からビターチョコばかりを渡される。 その度に、この方法を使ってきた。 長瀬は私の真似をしてチョコレートを口にした。 そして一瞬驚いた顔をした後、いつも以上のキラキラスマイルで私を見た。 長瀬「・・・!何だか、癖になりそうな味だな~。白井さんみたいに。」 「・・・。」 ・・・は? え?何で私が出てきたの? ・・・まったく分からない。 え、これは長瀬が悪いの? それとも、私がバカなだけ? 戸惑いながらも冷静を装う私を見て長瀬は一瞬真顔になり、見たことない顔で小さく笑った。 長瀬「・・・うん。やっぱり白井さんは凄いね。」 「え?」 長瀬「僕、白井さんのこと、 _ 好きだよ _」 あぁ、まただ。 この笑顔。 私には、長瀬の瞳の奥にある、黒い影が見えていたのかもしれない。
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!