1人が本棚に入れています
本棚に追加
「よし、決めた! 修さん、俺も協力しますよ」
「えっ! 良いのか?」
「はい、俺も近い内に子供作る予定ですから。未来のため……良いじゃないですか!」
「でも圭一くんは管理職だろう? 忙しいなら無理しなくても」
「あー……確かに……でも、休みがないほど忙しいわけではないので、空いた時間は調査に当てられます。明日だって休日ですし。俺にできることなら何でもやりますよ」
圭一くんにこうまで言われちゃ、断ることはできない。
「そうか、ありがとう。じゃあ、さっそくだけど明日のフリーマーケット、一人じゃ心細いから一緒に行ってほしいんだ」
「もちろんです!」
圭一くんが来てくれるのは嬉しい。一人での調査は不安だし、不審者に間違われないかという心配もある。二人なら怪しまれにくいだろう。
明日の行程を話し合っていると、商業施設が徐々に減って、やがて住宅街へと景色が変わった。本当に同じ東京なのかと思うぐらいの変化だ。歩いて五分、見覚えのある家が姿を現す。由香と圭一くんの家だ。
「相変わらず狭い家ですが」
圭一くんは自宅のドアを開けて入るよう促す。「お邪魔します」と、お決まりの言葉を言って上がらせてもらう。玄関には白とピンクの造花と傘立てが置いてある。埃を被っていることはなく、ちゃんと手入れされているようだ。
最初のコメントを投稿しよう!