祠村

3/34
65人が本棚に入れています
本棚に追加
/34ページ
 ・・・・・・千歳(ちとせ) 唯月(いつき)くんへ・・・・・・  唯月くん、久しぶりだね?元気にしてた?こっちは不便ながら、一生懸命やってます。それはそうと、中学校卒業おめでとう!唯月くんが高校へ進学すると聞いた時は、嬉しくて飛び上がりました。私の家族も、君の成長を喜んでいたよ。  そのお祝いとして、私の家でパーティーを開く事を決め、この手紙を書きました。最後に会ってから、もう5~6年ぶりになるかな?久々に会える事を、凄く楽しみにしています。本当は私がそっちに行きたかったんだけど、忙しくて村を離れられないんです。無理を頼んでごめんね。東京の景色、私も見たかったなあ・・・・・・いつか、ディズニーランドにも行きたい!  ちなみに私の住んでる場所、どこだか覚えてますか?○○県の△△市の外れにある山奥の村、『祠村(ほこらむら)』です。道中に気をつけてきて下さいね。たくさんのご馳走を作って待ってます。                        ・・・・・・立華(たちばな) 小鳥(ことり)より・・・・・・ 「小鳥お姉ちゃんも元気に過ごしているみたいだね。僕も会えるのが楽しみだな。5~6年かあ・・・・・・あれからそんなに経つんだ。でも、祠村ってどんな所だっけ?」  唯月は顔をほころばせ、読み終えたばかりの手紙を再び鞄の中にしまう。窓の手前にある(みぞ)(ひじ)を乗せ、手に頬を乗せると、再び木々と草花しかない景色を眺める。
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!