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1-狐火
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不規則に立ち並ぶ木々の切れ間から、夕暮れ時の淡い日差しが薄く差し込んでいる。
薄暗く、険しい山道を一人の少女が力なく歩いていた。疲れ切ったその表情からは、もう随分と長い間歩き続けていることが察せられる。日は既に落ち掛けてはいるが、まだ肉眼で周囲を確認できる程度の明るさは保たれていた。だが、それもあと一時間程度のことだ。すぐに闇夜は訪れ、その暗闇にやがては視界も奪われることだろう。
この場所にはもう何年も人の手など入っていない。長年放置されてきた細い山道には雑草が生い茂り、不安定な足場に少女は何度も躓きながら歩を進める。目を凝らして進みやすい位置を確かめつつ、たまにふらつきながらも、更に山の奥の方へと入っていった。
「――――もう少し」
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