1-狐火

6/179
前へ
/561ページ
次へ
 ――――くすくす。    その時、誰もいないはずの洞穴の中に、怪しく響き渡る小さな声。  蝋燭の炎がゆらりと揺れ、ちらつきながら消えていった。風が、再び少女の頬を撫でる。  ――――少女は確かに何者かの笑い声を、聞こえる筈のない声を聞いたのだ。
/561ページ

最初のコメントを投稿しよう!

125人が本棚に入れています
本棚に追加