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◆
檻が多く連なる地下をかける。彼らはみんな同じ白髪に蒼い瞳を抱いている。まるで、彼が自分と同じモノを作ろうとしているかのように。
それらは全て男性で、同じような顔をしている。俺もきっと、この中の一つなのだろう。ただ、あの人から名前を与えられただけの、作られただけの一つ。
その檻の中に一つだけ違うものを見つけた。白い髪に蒼い瞳。それでも、顔立ちは明らかに俺たちとは違う。アイツに造られた中で、ソレは唯一の【女の子】だった。
他の奴らは檻を開いたら逃げていったが、彼女は檻を開いても俺の顔を見据えるばかりで、一切逃げるそぶりを見せなかった。諦めているのか、そもそも外へ出るという考えがないのか。
◆
寂しそうな人だとおもった。まるで自分を造ったあの人のように。その瞳は寂しさと悲しさと、虚無が混ざった美しい蒼をしていた。
「……君は、出ないの?」
あなたは出てどうするの。どう生きていくの。戦うためだけに、あの人のためだけに生まれた私たちは、どうやって生きていけばいいの。
私を、ここから出してくれるの。
「出していい?」
そんな言葉とともに差し出される手に、いつもなら取らないはずのその手に。なぜか希望を感じてしまった。この人となら生きていける。
重ね合わせた手は、あの人とは似ても似つかないほど冷たかった。
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