夢の挾間

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その日の夜、シズマは暗い自室で電話をかけていた。 「……ああ。じゃあそういう事で頼む」 電話を切り、深く息を吐いて瞳を閉じる。 腕の中にまだマイヤの温もりが残っているようで。 さらさらとした髪の甘い香りや、柔らかな肌を。 思い返す度に、どうしたら良いのか分からなくなる。 ざわざわと、止まらなくなるこの想いは。 嵐のように、この胸を掻き立てて行く想いは。 考える度に、どうしたら良いのか分からなくなる。 だからせめて、今だけは空を見上げて想いを馳せる。 せめて、孤独な戦いに出る前に。
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