月影──白銀の鳳蝶V（全年齢対象版）

一章 帰還

　しばらくして戻ってきた受付嬢は、リューティスとクレーネーを受付の奥へと促した。

「すぐに迎えにいらっしゃるとのことですので、こちらでお待ちください」

　リューティスはソファーに腰かけると、大きく息を吐き出した。予想外の不意打ちに、動悸がおさまらない。

「師匠、どうしたの？」

　隣に座り、心配そうにこちらを覗き込むクレーネーに、リューティスは苦笑した。

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