第一章「冷凍食品の気持ち」

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 日端教授の場合、右腕になるというか奴隷になるって感じだ……。  「日端教授なら、立場上聞いたことがあるんじゃないですか? 最近、うちの学生も通り魔に襲われて亡くなった事件があることを」  「あぁ、その話しね。確かにさっきもらった議事録にも、その話しは議題になったって書いてあったわ。通りで今どき電子メールじゃなくて、アナログ紙に書いて回覧板よろしく私のところにきたわけだわ」  「話しに聞いたところ、情報規制がかかってるみたいで。噂好きの学生でも、そうそう知らないレベルの規制がかかってるみたいなんですよ。学生の身の安全を守るのも大学側の責任だとすれば、周知するのが普通じゃないんですか?」  「まあ落ち着きなさいよ、西尾くん。私も今さっき知ったばかりのことなんだから。私にいくら問い詰めたところで、貴方が求める答えは返せないわ」  「うっ」  関わりたくないと言って起きながら、日端教授にここまで食って掛かるのも矛盾している。とんだ天邪鬼だ。  「どうせ藍子ちゃんが事件に関わろうとしてるんでしょ。後々気になるくらいなら、最初から協力してあげればいいのよ」  「………」  図星だ。  彼女、エスパーか何かなのか?     
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