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世界の北西の大陸、ムヘーレス。
その北西の方向にひっそりと佇む森の修道院があった。
アルドゥアン修道院という由緒正しい聖地である。
そこの修道女長に、素直な心根を見いだされ
リストンパーク壊滅時の難民キャンプで引き取られた少女がいた。
彼女の名前はキャロル。サンデイ・ブロンドの巻き毛の清楚な少女である。ここへ引き取られて半年。少しずつここでの生活にも慣れてきたところだった。今は首にロザリオを吊り下げていたが、彼女の懐中には、物心ついた時から身に着けられていた、エターナル・メタルのペンダントが忍ばせてある。
修道院での穏やかな暮らしは、質素ながらもすぐに幼い彼女には馴染んだ。
基本自給自足生活で、毎日慈善活動のために恵まれない町へ行き孤児を慈しみ、慎ましくも静かに毎日が過ごせることに感謝した。
そしてその修道院は、弱者である女性の駆け込み寺の様なものでもあった。
暴力夫から命からがら逃げてきた女性、また、借金の肩に親に娼館に売り飛ばされそうになった女性、身寄りのない女性なども懐深く受け入れてきたのだ。
あるものは、ここの修道女になり、またあるものは独り立ちをして行ったりと、困っているすべての女性の最後の砦だったのである。
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