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ロルフの強引な手引きで渋々席に着くクルトは、ひたすら美味しそうに食べているイーリスを見た。
「おー、嬢ちゃん見た目以上に食うな」
「うん!ロルフの料理すっごく美味しくて!」
「おぉ、それは良かった!」
「俺の分もやる」
「え?!ダメだよクルト!ちゃんと食べないと!」
「…こんなに朝から食えるか……遠慮するなよ。処分するよりお前の胃に入った方が料理人も喜ぶ。」
「うぅー………」
食欲と、クルトに食べてもらいたいという思いが彼女の頭の中で喧嘩をしている。
「……ったく…ほら」
「んぐっ」
呆れたのか、クルトは目の前にあった皿の上の料理をイーリスの口に突っ込んだ。
「…」
「美味いか?」
イーリスは口に入れられた物を、幸せそうに頬張り、見ていて気持ちが良い程にごくんと飲み込んだ。
「…美味しいっ!」
「なら良かった」
無邪気な少女の笑顔に、微笑まずにはいられなかったクルトは、前を向くとロルフと目が合った。
「………パパじゃん」
「黙れ」
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