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「んべっっ?!口に砂入った!」
「……イーリス、口を開けるな。ストール巻き直してやるから。」
「悪天候かー…幸先わりィ〜」
3人は砂漠を歩いていた。風が吹いて砂が風吹のようにその空間を流れている。
しかし足を止めるわけにもいかず、方向が分からないまま3人は歩き続けた。
2時間ほど経つと砂嵐はやみ、あたりが本当に何も無い砂漠と認識する。
そんな砂漠の向こう側、人が1人、ぽつんと立っているのがイーリスには見えた。
「…ん?あれ、人?」
「本当だ!聞いてみようぜ!」
「えぇ……」
「すいませーん!俺達…」
ロルフが嫌がるクルトを無視してその人影に近付き、大声で話しかけた。
…すると、
「……お前達、馬鹿なの?」
話しかけた相手は女性だった。褐色の肌に、星のような金の髪。美しい容姿なのに、来ている服はボロボロだった。
そして開口一番人を馬鹿にする、礼儀を知らない人だった。
「え、はぁ?!会っていきなり馬鹿ってなんだよ!」
「…言動も馬鹿っぽい。
まぁいいか、砂漠にはハイエナがいるのよ御一行様。護衛を雇ってからくるのね」
彼女が指を鳴らすと、彼等の無数の方向から、無数のガラの悪い人間がジリジリと、どこから現れたのか分からないが近付いてくる。
「……盗賊か…」
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