第2章 ラント

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「んべっっ?!口に砂入った!」 「……イーリス、口を開けるな。ストール巻き直してやるから。」 「悪天候かー…幸先わりィ〜」 3人は砂漠を歩いていた。風が吹いて砂が風吹のようにその空間を流れている。 しかし足を止めるわけにもいかず、方向が分からないまま3人は歩き続けた。 2時間ほど経つと砂嵐はやみ、あたりが本当に何も無い砂漠と認識する。 そんな砂漠の向こう側、人が1人、ぽつんと立っているのがイーリスには見えた。 「…ん?あれ、人?」 「本当だ!聞いてみようぜ!」 「えぇ……」 「すいませーん!俺達…」 ロルフが嫌がるクルトを無視してその人影に近付き、大声で話しかけた。 …すると、 「……お前達、馬鹿なの?」 話しかけた相手は女性だった。褐色の肌に、星のような金の髪。美しい容姿なのに、来ている服はボロボロだった。 そして開口一番人を馬鹿にする、礼儀を知らない人だった。 「え、はぁ?!会っていきなり馬鹿ってなんだよ!」 「…言動も馬鹿っぽい。 まぁいいか、砂漠にはハイエナがいるのよ御一行様。護衛を雇ってからくるのね」 彼女が指を鳴らすと、彼等の無数の方向から、無数のガラの悪い人間がジリジリと、どこから現れたのか分からないが近付いてくる。 「……盗賊か…」
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