第1章 モース

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第1章 モース

「わぁ!見てクルト!お花畑だよ!」 赤に黄色、水色、鮮やかな花畑を、少年は横目に通り過ぎようとするが、少女によってそれは阻止されてしまう。 「………前の街に行く前にも行っただろ…イーリス…」 少年は少女のわがままを聞かず、進もうとしたが、彼のマントが勢いよく後ろに引っ張られたので止まらざるを得なかった。 「っな……にすんだよ!今は…」 「クルト、あの子…」 イーリスの行動に腹を立てた彼は寄り道をしない理由を彼女に話そうとした…が、振り向いた時にイーリスの顔より先にイーリスが花畑の方を指さしているのが見えた。その後に見た彼女の顔はどうにも悲しそうだったので、彼は頷くほかなかったのだ。 近付いてみると、その種にしては小さい、苔の生えたドラゴンが眠っていた。
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