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「……おたくら、ドラゴンを対等に見てるんだな」
「当たり前だ!全くいつからこんな感覚が植え付けられたんだ。彼らほど崇高な生き物はこの世のどこを探してもいないって言えるぞ。」
男の驚いたような表情に、クルトは強く言葉を発する。
「崇高な……ぶっ、はははははは!!面白いなお前!気に入った!」
「あ?」
「お前ら、旅してんだろ。手伝ってやるよ。」
クルトの言葉に面食らったようだが、その後大きな声で笑いクルトを見てそう言った。
「…まさか着いてくる、とか言わないよな」
仲間が増える、というのはクルトとイーリスにとって有利であり、不利でもある。
この男が信用するに値するか、連れて行って価値があるのか見極めなければならない。
自分とイーリスの為にも、時には冷酷に査定する。
「そのまさかだ!お前らの考え、気に入ったんだよ。いいだろ?」
「………そこに伸びてるお前の仲間は」
「あ?仲間っつっても今日初めてあったやつばかりだ。それに俺は雇われだからな。」
「は?!お前仕切ってなかったか?!」
「ばーか、俺みたいに若いのが雇主なわけねぇだろ。雇主ってのは今頃ベッドで寝てるやつのことを言うんだよ。」
「え、えぇ…じゃあそいつらは…」
「ま、もっとマトモな職探すよう言ってみるか?少しでも竜狩り減らしてぇんだろ?」
……この男の言っている事は良い条件だ。竜狩りを減らす、それはクルトにとって最小の手段だが最大の夢への一欠片でもある。
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