中性的な女子高生の話。

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好きな人に告白する勇気がないとか、最近彼氏とうまくいってないだとか、私はそんな相談を頻繁に受ける。それに対し私は、そっか、とか大変なんだね、なんて当たり前の返事しかしていない。それなのに決まって彼女らはすっきりとした表情で 「今日はありがとう」 と言う。私としては、感謝されるような事はしていない。というか出来ないんだ。そもそも恋なんて小学生の頃にしたのが最後だ。他人を想える彼女達が羨ましく、同時に素敵だとも思う。彼女のたちの悩みを聞けば聞くほど、恋はめんどくさそうだと感じる。 スカートの中が蒸れて仕方が無い八月。そんな私にも、気になる人が出来た。彼はとても格好良くて、それでいてキュートな一面もある。私が目で追っていると、たまに目が合う。そんな時に見せる表情が、たまらなく好きだと感じる。 そんな彼に、一つだけ懸念を感じている。それは触れられないこと。おこがましいが故でなく、現実的に不可能なためだった。そう、彼はモニターに映る美青年。でも私はこの恋が間違っているとは思わない。彼を眺めていられる、彼が動いている。それだけで私はとても幸せだ。 だが、この事を友人に話すと決まって笑われる。私の恋は、おかしいのだろうか。何を好きになろうと、どんな形だろうとそこに相手を思う気持ちがあるならば、それは恋だと私は思う。
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