無色だけは嫌なの

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音楽室から聞こえてくるピアノの清らかな旋律はブスが弾いている。 朝急いで走って学校へ。角でぶつかるのはハゲのおっさん。 何度もリセットボタンに手を掛けかけたこの人生。 これと言って不自由もなかったからこそ今のどうしようもない自分がいる気がして。 深夜家を出て夜のネオン街に繰り出す。 軽く肩まで伸びた髪を金髪に染め、露出多めの服装。 誰か襲って。 この刺激ない世界で初めての大馬鹿者。 日本の恥。 そんな目で私を見て。 どうしようもない口説き文句なんかいらない。 強引に私の手を取って。 無理矢理引っ張られる位が気分が乗るの。 そして無法地帯に連れ込んで好き勝手して。 私の全てを脱がして。 私を見て。 私を知って。 でも靴下だけは自分で脱がせて。
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