3人が本棚に入れています
本棚に追加
「もう、勘弁してくだばい。(ください)信じますからぁー。天使さまぁ~。」
高所恐怖症の炎は泣きながらぬぼっとにやめてもらうように懇願する。
自分が天使だと信じていると炎が言っているのにも関わらずぬぼっとは調子に乗ってさらにスピードをあげて飛び回る。高層ビルの間をすり抜けたり、海面ぎりぎりを飛んでみたりとやりたい放題である。
まぁ、そんなリアルジェットコースターみたいな体験で炎はすでに気絶してしまっているのだが。
すると、突然大空にたなびく入道雲の隙間から大きな女性の手がぬぼっとめがけて飛んできた。
そして、炎ともどもぬぼっとに掴みかかった。
「天使界が大変って時になーにやってんの?この見習い天使コゾーは。」
さらに空には大きな美しい女性の顔がでてきた。大きさにしてニューヨークの自由の女神くらいはあるであろうか。
「可愛そうに、こんなに怯えて、気絶までしちゃってるじゃないの。」
慈愛に満ちた表情で大きな女性は炎に語りかける。
そして、優しく炎だけ地上におろし、もう一度ぬぼっとを握りしめ、持ち上げ自分の顔のそばまで持って行った。
この時にはぬぼっとは正気を取り戻していて、事態がどうなっているかも理解できていた。
ぬぼっとの顔は見る見るうちに血の気が引いていった。
「時間ないって言ってんだろーがー!この腐れ〇〇○天使がぁっ!さっさと使命果たさんかい。」
最初のコメントを投稿しよう!