Dream

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 気がつくと、私も四十歳を超えている。子供たちは中学生になり、手もかからなくなってきた。久しぶりに本を手に取って読んでみると、あの頃の小説にかけた情熱がムクムクと湧き上がってくる。もう一度小説を書いてみたいと私は思った。とはいえ、私には一次選考すらまともに通過できなかったという苦い思い出がある。このまま我流で書いたとしても、きっといい結果には結びつかないだろう。そう思った私は、夫に相談してみることにした。 「ねえ、私、小説を書いてみようと思うの」 「へえ、そう言えば昔は小説家を目指してたって言ってたよね。子どもたちも手が離れてきたし、挑戦してみたらどうだい?」 「ありがとう。でも、学生時代は我流で書いて、結局ダメだったし、何かいい方法はないかなと思って」 「まあ、勉強したいのなら、シナリオスクールに通うという方法が一般的なんじゃないかな?」 「でも、それって結構お金がかかるんじゃないの? それに、近くに学校があるんだったらいいけど、遠くまでは通えないし」 「まあ、お金はそれなりにかかるだろうね。あと、通学にはそれなりの時間が必要になるだろうね」 「もっと身近で、書いた小説を誰かに読んでもらえる方法はないかしら?」  私の問いに、夫は腕を組んで考え始めた。そして、しばらく考えてから、何かを閃いた様子で、ポンと手を打った。 「そうだ、携帯小説なんかどうだろう? 僕は詳しく知らないけど、僕の後輩に携帯小説サイトに作品を投稿している奴がいるんだ」 「携帯小説って、誰でも投稿できるものなの?」 「わからない。だから、今度、その後輩を連れてくるよ」  夫はそう言うと、任せとけと言わんばかりに胸を張った。     
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