Dream

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Dream

 子供の頃から、本を読むのが好きだった。最初は母が子供用の絵本を毎日読んでくれていた。自分で字が読めるようになると、時間が許す限り、絵本を捲っていた。小学生になると、学校の図書館に()(びた)りになった。休み時間も友達と遊ばず、一人で黙々と本を読む。だから、私には殆ど友達がいなかった。だけど、それを寂しいと思ったことはない。私にとっては、友達と遊ぶことより、本を読むことの方がずっと大事だったのだから。  そんな私が自分で小説を書くようになったのは、必然と言えば必然なのかもしれない。小学校高学年になると、私はノートに自作の小説を綴るようになった。既に誰かが作り上げた世界に触れるのは、それはそれで楽しいのだが、どうしても自分だけの世界を作り上げてみたかったのだ。小学生の間に私が書き溜めた作品はノート三十冊にも及ぶ。そのどれもが、今となってみては小説と呼べるような代物ではなかったのだが、その当時の私には輝いて見えた。     
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