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それは、小さい頃から視えていた。透き通った湖のようにも豊かに生い茂る大地の森のようにも見えるエメラルド、日暮れの夕焼けのようにも深紅の薔薇のようにも見える明るく鮮やかな色彩を持つ紅色…。全く違った色合いなのにそんな二面性のある輝きを放つそれにアリアドネは目を奪われた。水底のようにも炎のようにも揺らめいているように見え、不思議と目を離すことができなかった。幼いアリアドネにはそれがまるで意思を持ってるように思えた。思わず手を伸ばす。それが始まりだった。
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