第二話 憧れの私になるの。

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門を出ると、そこには私の憧れた彼らが立っていた。 「よく頑張ったね。はい、これが招待状。」 そう言って、初老のお爺さんが、私に便箋を渡す。 「国王様があなたのことを認めて、入れてくれるって仰ってくれたのよ。」 そう言って、女の人が私を見て笑う。 私は敬礼をして、「はい!ありがとうございます、皆さま方!お目に掛かれて光栄です!」と言った。 「完全に育て上げられたな。」 そう言って厳つい面持ちの男は笑う。 「ま、そう言うわけだからよろしく。明日にもう一人の新入りが来ると思うから、楽しみにしてな。」 その男ははにかむ。 私は、憧れの職に就くことができた喜びと、明日から始まる仕事の内容、そして何より、私の同期となる新人を楽しみにするのであった。 そうして私は、「モブ」という仕事に出会ったのである。
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