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僕がそう言うと、皆きょとんとした顔になった。
そして、強面の男、ルドルフが僕の顔をまじまじと見る。
「おいおい。お前まさか何も知らずに来たわけじゃないよな?」
僕は怯えながら、「す、すみません。何か良くわからないままこの便箋に従って来ただけなので。」と言った。
「おい、お前。」
厳つい男、ルドルフが背広を着た紳士のような出で立ちの男に手を掛ける。
「おい、書いたのはお前か。」
僕は肩を竦めて、「ごめんなさい。」と言う。
「いや、お前は悪くない。おい、ネビル。お前まさか説明も無しに便箋を届けたんじゃ無いだろうな。」
すると、ネビルと呼ばれた男が、「潜伏。」と言って、消えた。
「お、おい!ネビル!やっぱりお前!ってどこ行った?おい、ネビル?」
ルドルフさんは周囲をキョロキョロと見渡し、ニヤリとした。
急にルドルフさんは焼き肉を手に取り、猫なで声で話し始める。
「ネビルさん~。出てきておいで~。美味しい焼肉だよ~。ホレ、ホレ。」
するとネビルさんが姿を現し、「焼肉!」と言って、焼き肉に手を伸ばした。
周りを見ると、茜音と呼ばれた女性や背の低い老人が「ちょろいな。」と言って笑っていた。
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